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長寿番組【2024年5月「みんなのお話」最優秀賞】

 今週から4月になりました。年度の切り替わりで新たに始まるものもありますが,その一方で,3月で終わってしまったものがあります。

 

 その一つが「ブラタモリ」というテレビ番組です。15年続いた長寿番組でしたが,3月をもってレギュラー放送が終了となりました。自分が見始めたのは2~3年前で,「地理の勉強になる!」と同僚の方に薦めていただいて試しに見たのがきっかけでした。「知床の生態系と地形の関係」,「中央構造線と日本列島形成の謎に迫る」など,理系の自分が興味をそそられるテーマも扱っていて,気付けば毎週欠かさず見る楽しみの一つとなっていました。視聴率が高く,テレビ局としても継続したかった番組だと思いますが,出演者の高齢化などの避けられない理由で,放送終了の運びとなったようです。

 

 もう一つ,「世界ふしぎ発見!」という番組も,3月でレギュラー放送終了となりました。38年も続いた大長寿番組で,世間からも良き「教育番組」として,ファンも多い番組だったようです。個人的にも幼少期からよく見ていた番組で,背景知識がなくても「歴史ミステリー」を存分に味わえ,自然をテーマにした放送回(ベネズエラのギアナ高地,アメリカの秘境スポット“ザウェーブ”など)は,写真でしか見たことないような絶景を疑似体験できる貴重な時間でした。番組が終了となった理由は様々あるようですが,出演者の高齢化以外にも,もともと製作費が高かったこと,近年流行の無料動画サービスやサブスクなどの影響で,視聴者のテレビとの向き合い方が変わってきたことも背景にあったようです。

 

 両番組とも,出演者の高齢化だったり,世間の変化だったり,避けられない事情での放送終了でしたが,テレビ番組としての役割を十分に全うした偉大な番組でした。番組が終了となったことは残念ですが,半年も持たない番組もある中で10年以上も続くことができたのは驚くべきことです。飽きられることなく長く続いた秘訣は,視聴者の目線を大切にしてニーズの変化に柔軟に対応したこと,視聴者,スポンサーとの間での信頼構築,そして,制作スタッフ一人ひとりの堅実な制作活動があったからだと思います。

 

 我々ハピラルの仕事においても,ありがたいことに一度関係をもっていただいたお客様のほとんどは,その後何年もお付き合いが継続しています。しかし一方で,様々な事情によりやむなく終了する案件もあります。3年後,5年後,10年後を見据えて,世間のニーズの変化など,案件終了に至るような”避けられない”状況になる前に,想像力をはたらかせて対策を講じることで,お客様とも「長寿番組」のような長いお付き合いができればと思います。

 

 今は国内・海外”疑似”旅行を一度に失ったショックが大きいですが,また日本や世界のミステリーを探す番組が始まることに期待をしながら,新たな1年を大切に過ごしていきたいと思います。

 

(ON)