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買い物の失敗から

 突然ですが皆さま、「お買い物」は得意でしょうか。私は最近「買い物力」、とりわけ食品の買い物力が落ちているなとひしひし感じています。というのも学生時代は限られたお金の中でいかに満腹になるかということを常に意識してやりくりしていたのに対し、働き始めてからは、あまりお金のことは気にせず頻繁にコンビニや外食に行くようになってしまったためです。そして自炊については、気が向いたらふらっとスーパーに行き、その場で好きなものをかごに放り込むというスタイルになってしまいました。ふと学生の時からつけている家計簿を見返してみて自分でも驚いたのですが、学生の時の月の食費は(それでも多いかもしれませんが)大体2万円台なのに対し、先月の食費は特にイベントもなかったにもかかわらず6万を超えていました。一人暮らしでこの金額はまずいなとショックを受けましたが、先日さらにショックなことが起きてしまいました。

 最近暑さが続いているため某コンビニの「冷製ナスの揚げ浸し」というお惣菜にはまり、私の中で空前のナスブームがきています。ナスは煮浸しはもちろん、炒めたり、揚げたりと調理の幅が広いのも魅力です。買おうと思っていなくても、いざスーパーであの艶やかな光沢を見ると買い物かごに入れずにはいられない、そんな気さえ起こさせる不思議な野菜です。

 さて先日も私はふらっとスーパーに行き、あてもなく野菜コーナーを見ていました。そこでナスの3本入りの袋と5本入りの袋が目につきました。当然3本入りの方が安く、独り者にはもってこいの分量です。けれども私は欲張りなところがあり、どうせ買うなら大きい方にしようと、買う予定のなかったナス5本を購入しました。

 その日の晩は、気分的にナスを使わない料理をつくろうとしていたので、ナスは「まあそのうち料理するだろう」と思い、袋に入った状態のまま色々な食材が放り込まれた段ボールに入れておきました。ところが、元々買おうと思って買っていなかったため、調理するのが面倒になったり、ナスなんか食べる気分じゃなくなったりとなかなか使う気にならず、ナス5本は日に日に段ボールの奥底に追いやられていきました。

 そのナスを買って数日たった頃、今日こそあのナスらをなんとか調理してやるかと思い立ち、家に帰って玄関のドアを開けました。すると夏場の熱気とともに異臭が鼻を突きました。はっと嫌な予感がして、私は異臭の中を進み食材が放り込まれている段ボールに近づきました。他の食材の下敷きになったナスの袋の端を掴み持ち上げてみると、ナスはどす黒く粘度の高い液体と個体が入り混じったものに変わり果てていました。さすがそのほとんどが水分でできている野菜だけあるなと感心しつつも、もうナスとも呼べぬその物体をなんとか他の食材には被害が及ばぬよう慌てて処理しました。幸いにも一緒に袋に放り込まれていたインスタントスープの箱がびしょびしょになったくらいで他の食材への影響はありませんでした。その異臭と見た目にもショックを受けましたが、何よりも自分の計画性のなさやものぐささに大変ショックを受けました。きっと他のひとに買ってもらえたのなら、今ごろ美味しく調理してもらえていたはずだったと思うとナスそのものに対して申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。

 この失敗から学んだことは、まず買い物の段階から、それは今本当に必要なのか一度冷静になって考える、買ったとしたら腐る前にどのように使い切るか計画(献立)を立てる、そしてそれを実現するために保存方法を見直し、適切な食材の管理および整理整頓を心掛けることが重要だということです。

 これは仕事にも言えるのではないかと思います。私の性格を考えたときに段々とやることが増えていくとこれは後回しでいいかと考えてしまったり、細かいファイルの整理とかがおろそかになってしまったりするため、全体の計画を考えないと、気づいたときにはナスのように取り返しのつかない状態になりかねません。あのナスのようにならないよう、常に計画・判断・管理・整理を意識して仕事に取り組んでいこうと思います。

 

(YM)