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食べすぎ注意

 好きな食べ物といえば皆さんは何を思い浮かべますか?

 私はチョコレートが好きなので、バレンタインなどのイベントでチョコレートがたくさん売られていると嬉しくなります。チョコレートといっても高級なものや特定のブランドのものが好きというわけではなく、チョコならなんでも美味しくいただきます。さて、皆さんも好きな食べ物が何かしらあるかと思うのですが、そうした食べ物を「これならいくらでも食べられる!」や「三食これでもいい!」と思ったことはないでしょうか。かつての私はそう思っていました。

 一人暮らしをしていた大学生の冬のことです。晩ごはんを食べようと思ったときに、冷蔵庫がからっぽになった時がありました。お米もないしパスタもない。野菜もないし卵もない。牛乳と調味料しか入っていない状況でした。お腹は減っているけど外は寒いし、これから買い物に行きたくはない……。当時は今のようにウーバーイーツやら各種出前が充実していませんでした。

 さすがに冷凍食品くらいは無いかと冷凍庫をあけたら、アイスと大量の板チョコだけが入っていました。板チョコは10枚入りの1箱と数枚はあったかと思いますが、これは普段からチョコが好きで、板チョコを箱買いして保管していたものです。そこで思い出したのですが、チョコは腹持ちがいいのです。元々いい加減な食生活だったこともあり、「晩ごはん、チョコでいいか!」と思いついてしまいました。子どもの頃の、おやつだけ食べていたいという野望を一人暮らしの今、叶えられるのではないかと思ったんですね。そうしてとりあえずお腹も空いていたので板チョコを2枚ほど食べ終わったころ、ついでに「チョコが食べられる限界を知りたい」と思いつきました。今思えばYouTuberの先駆けかと思うのですが、当時は好奇心で好きなものがどれだけ食べられるのか知りたかったんですね。

 そうして3枚目、4枚目……と食べていたのですが、当たり前ですが喉が渇いてきました。普通にチョコを食べているときですらそうなので、さすがに飲み物が欲しい。では何を飲むか?私はただの水を飲むのが苦手なので飲み物といえばお湯と各種茶葉のお茶、冷蔵庫の牛乳はミルクティー用のものでした。そこで恐ろしいことに、「チョコの限界が知りたいから、飲み物もココアにしよう!」とひらめいてしまいます。止める人がいないというのは恐ろしいですね。冷蔵庫に味噌は無いのに、ココアは当然のようにストックがあったため、ココアを飲みつつチョコを食べ進めていきました。

 そうするとどうなるのか。嫌な予感はすると思うのですが、案の定5枚目を食べているあたりで気持ち悪くなってきました。そこでやめておけばいいのにまだ食べれるな、という気持ちから7枚目を食べていたころにはもう体がだるくなってきました。最終的に8枚食べたあたりで頭がぼうっとしだして体が重いし胃もたれもする。そうした現象について、恐ろしいことに当時はチョコのことを何も疑っていないので、風邪かな?と思い、早めに就寝しました。その後の深夜、悪寒と汗で目を覚まし、暖房を強めても体が震える、体は重いし気持ちは悪いし頭は痛い。いい加減これはまずいと気づくのですが、とにかく寝ていることしか治療方法が思いつかない。そうしてなんとか朝まで寝込むのですが、体のだるさから病院に行くこともできず、そのまま2日ほど寝込むことになりました。

 なんとか自然治癒力で回復したのですが、さすがに反省して、後日原因を調べてみました。すると「チョコレート中毒」という現象があることを知りました。チョコレートに含まれる砂糖はもちろん、人体に影響を及ぼす成分にそれぞれ摂取の上限があるようです。それらの過剰摂取による症状をみていくと、「テオブロミン」という成分について知りました。

 「テオブロミン」はカカオ豆に微量に含まれるアルカロイドの一種で、チョコレートに加工しても数パーセントは含まれる成分だそうです。これを過剰に摂取すると、消化不良や脱水症状、頭痛や手足の震えがみられるそうです。これらの症状が俗に「チョコレート中毒」と呼ばれるそうですが、私が体験した体調不良はまさにこの「チョコレート中毒」であったのだと思います。ついでに調べを進めると、チョコレートの致死量について「短時間で板チョコ換算80枚程度」という記述がありました。あの日私が食べたのは板チョコ8枚、簡単にみても致死量の10分の1の量を摂取していたことになります。そこで初めて、「チョコも食べ過ぎると死の危険がある」と知ったのでした。この事件以降はさすがにチョコの食べ過ぎは控えているのですが、皆さんも食べ過ぎによる中毒症状には気をつけてください。

 この出来事から得た教訓は、「好きだからと言ってやりすぎはよくない」「状況が悪化しそうなときはすぐに手を打つ」の2点です。チョコが食べたいという私欲にしろ、業務をおこなううえでの意識にしろ、極端にこだわったり、この業務だけは、とやりすぎたりしてしまうのは要注意です。まさか「仕事中毒」なんて人はおられないと思いますが、加減を意識するのは重要だと思います。

 あとは個人的な反省点として、摂取する水分をココアに限定したことがあげられます。なぜお茶にしなかったのか。そもそもチョコはカカオ豆の脂肪分と砂糖の塊です。そこにカカオと牛乳で構成されるココアを摂取したらどうなるか。そういったことを想定して行動するべきでした。よく「体と相談して」と健康について話されますが、体に相談すること、体の言うこと、不調に耳を傾けること、素直に聞くこと、は健康維持だけでなく、業務にもつながる教訓かと思います。

 以上、皆さんも好きな食べ物でもほどほどに、くれぐれも「やりすぎ」には気を付けて、健康な体も円滑な業務も自分との対話で調整していきましょう。

 

(AM)