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46.冬の厳しさ

 今年の冬はまだ終わってはいませんが、おそらく記録的な暖冬になりそうです。毎日のように、「寒くない冬」の話題がニュースになりました。その多くは困った内容で、例を挙げると、スキー場で雪不足、札幌の雪祭りも雪不足、湖が凍らないのでワカサギ釣りが中止、滝が凍らないので見学ツアーが中止、雪が積もらないので除雪車の業者さんが大変、などでした。はじめは驚きましたが、直に慣れっこになってしまいます。
 2月に入り、今日は3月並みの暖かさでした、といったニュースを何度か耳にしました。こうなると、春を告げる花の開花も早まります。はたして、1月になると花が開き始めるロウバイが早くも満開を迎えるだの、2月の下旬くらいから花をつけるフクジュソウが咲き始めただの、季節を先取りする映像がテレビで流れます。
 そんな話を見聞きすると、私は落ち着きを失い、さらに、穏やかな好天に恵まれますよ、という天気予報を目にするや、矢も楯もたまらず、唐突に、「ごめん、休む」、と社内で宣言して、社員を驚かせてしまいます。
 次の3枚の写真は、いずれも今年の2月に撮ったものです。1枚目はセツブンソウ。白い花は、春浅い頃の厳しい寒さを連想させます。例年、2月中旬から3月にかけて咲き始めるといわれていますが、今年は名前の通り節分のころから開花したそうです。2枚目は、フクジュソウ。この花は、春の日差しを感じさせます。例年、3月の第1週の週末に花を見に行くようにしていますが、2月の第3週に出かけたところ、満開は過ぎているようでした。 


セツブンソウ

 


フクジュソウ

 

 3枚目はロウバイです。満開の花の後ろに連なる山々には春の霞がかかり、どこか、のんびりとした風情です。この日は無風快晴の好天。薄い膜のような雲が空を覆い、おかげで日差しは柔らかく、穏やかなポカポカ日和。とうてい、2月とは思えません。手ごろな丸太ベンチに腰を下ろし、目の焦点を何かに合わせずに、網膜に写った「もの」をそのまま感じます。春になったなあ、と実感します。


満開のロウバイ

 

 ここ数年、暖冬続きですが、それでも何回か雪が降ったり積もったり、凍えるような寒い日があったりして、3月に入ってフクジュソウの花を見ると、ようやく春が来たなあ、と一安心。ところが、今年は生暖かい日がダラダラと続いて、ピリッとした冬にならないまま、春を迎えることになりそうです。今年の春の花は、冬の厳しさを知りません。そのため、例年の花に比べ、ほんの少しだけ劣っているところがあるかもしれません。しかし、どの花も一所懸命に咲き、例年通り、見る者の心を動かします。
 どういう環境であっても、与えられたものを最大限に活かして、自分にとって最高のものを作り出す。これが大事ですね。

 
(社長)