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35.メンバ交代

 今年のゴールデンウィークは10日間ありました。この長い休日を、皆さんはどのように過ごされましたか。マスコミの調査によると、長すぎた、もっと短くて良い、という感想をお持ちの方も少なくなかったようです。私はというと、天気が良ければ近くの野山を歩き回り、時間をもてあますということはありませんでした(もっと長くても良いかなあ)。
 10連休の真ん中、5月1日は朝からあいにくの雨模様なので、近くの散歩コースをブラブラと歩いてみました。すると、次の写真にあるように、きれいに手入れされた大きな常緑樹が、見事な新緑を見せていました(クスノキでしょうか)。晴れていれば、眩いほどに輝くんだろうな、と少し離れた所からぼんやりと眺めていると、疑問がモワモワと浮かんできました。それは、「この木は、一体、いつ葉を落としたんだろう?」というものです。緑の葉が、一夜にして、黄緑色の葉(=若葉)に変わるなんてことはありえませんから、若葉が茂る前に、古い葉が落ちてしまわないとつじつまが合いません。しかし、この木は、いつ見ても、タップリと葉を茂らせているのです(だから、常緑樹と呼ぶのでしょう)。

新緑の常緑樹


 目の前に興味を惹く物があるとき、その物が危険ではないと思えるなら、当然のこととして、近くで見てみようという気になります。その衝動に動かされるように、木の幹まで近寄って、首をグイッとまげて見上げます。そして、自分の目が届く範囲を、隅々までグルリと見わたしてみました。すると、薄くて柔らかそうな若葉の後ろに、硬くて分厚い緑の葉があるではありませんか。しかも、足元には、この木から落ちたとしか思えない緑濃い葉が、何枚か落ちています。この状況から推察すると、常緑樹は春から初夏にかけて、細い枝を一斉にのばして、その先に若葉を広げ、木全体を新緑の装いに変えてしまう。若葉の後ろに残っている緑の葉は、役割を終えたら程なく枝から離れ、落葉する。おそらく、こういうことではないでしょうか。
 古い葉を落として若葉を茂らせることは、組織のメンバ交代を連想させます。落葉樹型人事は、ある時(ある期間内)に、旧メンバを一斉に新メンバに変える方法です。しかも、新旧メンバは時と場所を共有することはありませんので、引継ぎは一切ありません。一方、常緑樹型人事は、旧メンバがいる時に、新メンバを迎え入れます。新旧メンバは時と場所を共有するので、引継ぎは十分にできます。そして、旧メンバは、自分の役割を終えれば、目立たないように静かに組織を去るのです。落葉樹型人事と常緑樹型人事は、組織替えの目的などの状況に応じて、それぞれの長短が活きるように、うまく使い分けることが必要ですね(当然のことですが…)。
 
落葉樹の新緑

 

おまけの写真


 この花は、ウワミズザクラといいます。ソメイヨシノとは似ても似つかない花ですが、れっきとしたサクラの仲間です。 

(社長)