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31.定点観測

 3月に入り、一気に春めいてきました。天気予報が『晴れ』を告げると、待ってました、とフクジュソウを探しに近くの山に出かけます。同じ場所を、ほぼ同じ時期に訪れるので、いうなれば、フクジュソウ開花の定点観測です。花を見つけると、今年も咲いてたね、とひと安心(次の写真を見てください)。そのあと、「今年は咲くのが少し早いな…」、と腕組をして独り言。通を気取って悦に入ってます(そんなところを誰かに見られたら、恥ずかしいなんてもんじゃないです)。

 

 

 

 

 のどかに晴れた風のない午後、柔らかな日差しを存分に浴びて咲くフクジュソウは、本当にいいものです。春になったことを、ジンワリと実感させてくれます。フクジュソウの後は、アズマイチゲとキクザキイチゲの定点観測。そのあとは、ハナネコノメとコガネネコノメ。そのまたあとは、アカヤシオ。そして、5月末から6月上旬にかけてのアズマシャクナゲの定点観測が終ると、高山植物が咲き始めます。春から夏にかけて、あの花はもう咲いたかな、と落ち着かない日々が続きます。
 今のところ、おおよそ平年並みの天候ということもあって、フクジュソウは例年通りに花を咲かせることができたようです。しかし、年によっては、いつまでも寒い日が続いたり、季節はずれの大雪が降ったり、と花にとっては想定外の天候不順に見舞われることもあるでしょう。そういう逆境の中で咲く花は、いっそう美しく、健気にも見えますね。とはいえ、そういう天候不順な年では、開花が遅れるだけでなく、花つきが悪かったり、咲いてもすぐに枯れてしまったりして、マイナス面の方が多いといえます。
 ご承知の通り、今般の教育改革にもとづく「新しい入試」が、いよいよ次年度から始まります。しかし、マスコミなどを通じて、教育実践の経験者や教育の専門家の多くから、様々な心配の声が聞こえてきます(具体的な内容は取り上げませんが…)。もしも、彼らの心配事が本当に現実のものとなったら、「新しい入試」を受ける「生徒たち」が一番の被害者ということになります。そんな事態になったら、「生徒たち」にとっての「新しい入試」は、フクジュソウなどの花にとっての極端な天候不順のようなもので、運が悪かったね、では済まされません。「新しい入試」に直接関わっておられる皆さんには、多くの人たちの心配事が杞憂に終るように、くれぐれもお願いしたいと思います。

(社長)