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30.はこぶ

 2月4日(月)から2月12日(火)まで英国に出張しました。日本よりも北に位置する国ですから、凍えるような寒さだろうと覚悟していましたが、予想に反して、それほどではありませんでした。4日にヒースロー空港に到着し、5日から9日までケンブリッジに滞在しました。10日にロンドンに戻り、次の日は自由行動としました。ともに出張したメンバは、オックスフォードに足を延ばしたり、大英博物館を堪能したり、ロンドン市内を駆け回ったりと、各自の好みで英国最終日を楽しみました。私は、歴史建造物やら美術館やら博物館などにあまり興味がないので、ハイドパークとケンジントンガーデンを歩いてみることにしました。そのときに撮った写真をご紹介します。
 
 次の写真の木は、「29.主従の逆転」で紹介した木よりも、もっと好き勝手に枝を広げています。太い幹から枝分かれするごとに細い枝になっていく様は、太い血管から枝分かれする毛細血管のようです。血管は体の隅々まで血液をはこびますが、木は地中にたまった水を吸い上げて、主に葉から空気中に水蒸気を放出しています。木が地中から水を吸い上げるのは、あくまでも自らの生命活動を維持するためですが、結果的に「地」の水を「空」へはこんでいる、といえますね。

地から空へ

 

次の写真は公園内の遊歩道で撮ったものです。最初、リスは作り物のように見えたので、いきなり動き出したときには驚いてしまいました。これ以外に3匹のリスを見ましたが、すぐそばにリスがいても、道を歩く人たちは珍しがる様子はありません。それほど、公園にリスがいることが当たり前のことなのでしょう。食料が不足する冬に備えて、リスは、せっせと木の実を集めては、あちらこちらに穴を掘って木の実を隠す、と聞いたことがあります。しかし、リスは隠したことを忘れることがあるそうで、忘れられた木の実は、春に芽吹きを迎えます。あまり記憶力のよくないリスによって、地上の木の実が程よい深さの地中にはこばれる、といえますね。
ぬいぐるみ?

 

 テスト専門会社の弊社も、はこんでいるものがあります。IRT(項目反応理論)です。IRTはテストの測定理論ですが、統計学的アプローチによってテストの問題を分析し学力を測定するので難解であり、多くの一般の人たちには手におえません。弊社は、IRTの研究機関ではありませんが、これを実際に使う事業体です。いうなれば、研究者の手の中にあったIRTを、一般の人たちのもとへ、はこんでいるのです。
 木が水を空にはこぶのも、リスが木の実をはこぶのも、結果であり、その行動自体は目的ではありません。弊社の場合は、IRTを一般の人たちに「はこぶ」ことが目的です。そのため、IRTの専門家による社内研修を定期的に実施し、IRTの取り扱い方を学び、IRTを確実にお客様のもとに「はこぶ」ことができるように努めています。

 

おまけの写真
サクラのように見えますが、おそらく、アーモンドの花だと思います。
 


(社長)