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29.主従の逆転

 先月は、海外出張などが入り、日々雑感はお休みしてしまいました。冬は終わり、春になってしまいましたが、2月の上旬に近くの公園を歩いて撮った写真をご覧ください。

 1枚目の写真のタイトルは、「好き勝手」です。周囲に空間を奪い合う競争相手がいないと、木は、こんなにも自由に枝を四方に広げるものなのだ、と感心してしまいました。もし、この木が街路樹として使われていたら、人の生活にとって都合の悪い枝は容赦なく切られたことでしょう。それとも、手間がかかる木だという理由で、そもそも街路樹には使われないかもしれませんね。

 

好き勝手


 2枚目の写真は、「お行儀良く」です。同じ種類の木(おそらく、メタセコイアでしょう)が、数本並んでいます。どの木も、ほぼ同じ背丈で、幹をまっすぐに伸ばし、ほぼ左右対称に枝を広げ、おまけに、樹相が安定感のある二等辺三角形をしています。1枚目の木とは違って、どの木も、まさに、お行儀が良いですね。また、メタセコイアの紅葉は見事だからでしょうか、この木は街中でもよく見かけます。

お行儀良く


 最後の写真は、「主従の逆転」です。まっすぐな道の両側に、きれいに剪定された木が、ほぼ等間隔に、何本も植えられていました。道の端まで歩いて、何気なく振り返ると、ご覧のとおり。二等辺三角形に切り取られた青空が広がっていました。振り返るまでは、青空を背景に冬枯れの木を見ていたのですが、振り返った瞬間、冬枯れの木を前景にした青空が目に飛び込んできたのです。いうなれば、「主従の逆転」です。
 「主従の逆転」は、仕事の場面でも経験することがあります。ある課題を解決しようと懸命に考えるけれど、浮かんでくるアイデアはどれも解決には役立たないものばかり。ところが、何かの拍子に、その役に立たないアイデアの中に、全く別の課題を解決するヒントが見つかる。まさに、「主従の逆転」です。
 ここで重要なことは、「主従の逆転」を起こそうと意識しても無駄、ということです。それは、偶然に訪れる「幸運」のようなものですから。しかし、何事にも一所懸命に努力を傾けていると、無意識の世界に、複数の課題を解決するためのネットワークが構築され、ある日、「幸運」が訪れるのかもしれません。

主従の逆転


(社長)