HOME  >  日々雑感一覧  >  社長の日々雑感  >  21.秋、始まる

21.秋、始まる

 地震はあるし、台風が2つも上陸するし、今年の9月は大変でした。しかし、その間に、夏から秋に季節が移ったことは間違いありません。その証拠に木々の色づきが始まっています。この前(9月22日)歩いた山梨県の大菩薩連嶺で撮った写真をご覧ください。

 下の写真は標高2,000mの稜線上(雷岩と呼ばれている所です)で撮りました。この高さだと色づきもすすんでいますね。葉の様子からサラサドウダンだろうと思います。深い赤が秋の青空に映えて、目をひきつけられます。

 サラサドウダン(標高2,000m)

 

 次の写真は、標高1,500mの六本木峠付近のものです。先ほどのサラサドウダンほどの自信はありませんが、おそらく、ガマズミではないかと思います。稜線より標高が低いせいか、周囲の木々の色づきはまだ始まっていないので、一本だけ紅葉した木が目立ちますね。

 ガマズミ(標高1,500m)

 

では、街中は、どんな様子でしょうか。例年、都内で色づきが始まるのは11月ですから、まだ早いだろう、と思いつつ、先日(9月30日)、明治神宮外苑を歩いてみました。すると、どこにでも気の早い連中はいるもので、一面の緑の中に、黄色い二枚の葉が目にとまりました。

 明治神宮外苑にて

 

季節が夏から秋にかわると、夏に生い茂っていた緑の葉(以後、「夏葉」と呼びましょう)は赤や黄色の「もみじ葉」に変わります。地球の気候が劇的に変わらない限り、「夏葉」から「もみじ葉」への変化は、毎年、必ず起こります。「夏葉」から「もみじ葉」に変わったら、次の変化は「落ち葉」になること、つまり、その葉にしてみれば「死」を迎えることを意味します。すべての「もみじ葉」が枝を離れ、「落ち葉」となって地面をおおうと、やがて季節がめぐって芽吹きの時を迎えます。新しい生命の誕生ですね。「夏葉」にしてみれば、できることなら、いつまでも「夏葉」でいたいことでしょう。しかし、大きな生命の循環の中にあって、それはかなわぬことです。
 周りの植物が「夏葉」を茂らせている中で、他に先んじて色づく葉は、あわて者なのでしょうか、目立ちたがり屋なのでしょうか。それとも、『いやでも「もみじ葉」に変わらないといけない。それなら、さっさと変ってしまおう!』、という思い切りのよさ、を備えた者たちなのでしょうか。植物が、そんなことを思うわけありませんし、仮に、彼らに思いがあっても、その思いを確かめる術はありません。

 秋は、もの思いの季節とも言います。鮮やかな色づきに見とれながら、とりとめもないことを考えていました。

(社長)