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20. 高山植物2018

今年の夏は、本当にウンザリするほどの暑さでした。街が暑ければ、3,000mの山々であっても、暑いのが道理です。そのせいか、今年は三週間ほど開花が早い、と聞きました。しかし、慌てて山に出かけるのもなあ、と思います。
有難いことに、今年も北岳と八ヶ岳に上ることができました。既にオシマイの花もありましたし、運よく咲き残っていた花もありました。今回は、今年撮った高山植物を見ていただければと思います。

タカネマンテマ

タカネマンテマは、南アルプスに咲きます。珍しい花なので、見つけるのは容易ではありません。自慢しているようですが、私は、南アルプスの北岳(標高3,193m)で、この花が咲く場所を何ヶ所か知ってます。
今年上ってみると、そのうちのいくつかの場所で、幸いにも花が咲き残っていました(下の写真を見てください)。しかし、一番のお気に入りの場所には、残念ながら花はありませんでした。
その場所は、惚れ惚れするような偉丈夫然とした間ノ岳(あいのだけ 標高3,190m)を背景に、今にも消え去りそうな小さな花が身を寄せあって咲く岩陰です。
時折、尾根を渡る風に吹かれて、頼りなげに花が揺れます。途方もなく大きなものと、弱々しく小さなものとの対照の妙に、見飽きることはありません(「なぜ、その写真を載せないのか!」すみません、今回は今年の写真限定です。次の機会にご覧ください)。
今年はダメでしたが、来年は見る機会に恵まれれば、と祈っています。

 

タカネマンテマ(北岳 2018)

タカネマンテマ(北岳 2018)

 

コマクサ

八ヶ岳の横岳と硫黄岳の途中に、赤茶けた石がゴロゴロ転がる斜面を埋め尽くすように、コマクサが群れ咲く場所があります(人気のルートなので、ご存じの方も多いと思います)。ピンク色のコマクサに紛れて、白いコマクサが咲くと聞いていましたので、まさに全身を目にして斜面を探しました。すると、思っていたよりも簡単に見つかりました。
なにしろ、赤茶けた石のカラカラの斜面に咲くピンク色のコマクサの大群落の中の白い花ですから、結構、目立つのです。この花が近くに咲いていれば、見落とすことは、まずありません。
写真に撮ってみましたが、機能よりも軽さを重視したコンパクトデジタルカメラを使っているせいか、せっかくの白い花がうまく撮れていません(カメラのせいにしてはいけません。もちろん、一番の原因は私の腕です)。
これを機にミラーレス一眼カメラを買うつもりです。そして、来年も花の季節に訪れることができれば、と願っています。

 

コマクサとシロバナコマクサ(八ヶ岳2018)

コマクサとシロバナコマクサ(八ヶ岳2018)

 

3,000mの山に上るために、私は四つの余裕が必要だと思います。
まずは、体力的な余裕。私はテントを背負って上りますので、体力がないことには話しになりません。
次に、時間的な余裕。最近は3,000mの山を日帰りする人もいますが、私には無理です。どうしても、一泊か二泊、山で過ごすことになります。
そして、金銭的な余裕。高い山は街から遠くにありますので、交通費がかかります。若いころは、どんなに遠くの山でも、国鉄(今で言うJR)の各駅停車(その頃は、鈍行、と言いました)を利用していましたが、今は、特急を使います(使い始めの頃は、堕落した、と思いましたが、すぐ慣れました)。
最後は、精神的な余裕です。せっかく山に来たんだから、天気が悪くても体調が悪くても、頂上に上らなくては…。こんな気持ちは禁物です。また来れば良いのです。

無理して上っても、山は、全然、楽しくありません。楽しいひと時を山で過ごして街に戻れば、元気一杯です。

(社長)