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変わっていくこと

私は大学時代、「能楽研究会(能研)」というサークルに所属していた。
このサークルではOB・OG会が中心となって、5年ごとの節目に大きな集まりが開かれる。
前回の能研設立70周年総会には30名ほどが参加し、上は80代から下は20代(現役の学生)まで幅広い年代が一堂に会した。

能研70年の歴史のなかで、色々な変化があった。
観世流という流派は同じだが、師範は3回変わり、今の梅若家の師範になって約50年になる。
梅若家のもとでも、以前は師範と内弟子が教えていたものが、私の卒業後に、能研出身の能楽師が中心になって教える体制に変わっている。

現在、学生を教えている能楽師の先生は、次のようなことを言っていた。
「時代が変わって、今の学生が置かれている状況は厳しい。昔のようなストイックな教え方では、ついてこられないと思う。今の学生に合わせて教え方を変えている。楽しいと思って、続けてもらうため、できるだけやりたいことをやらせたい。それが、卒業後も能という文化にかかわるきっかけとなればいいと思う」

時代に合わせて変わっているのは、仕事も同じではないだろうか。
近年、社会全体で長時間労働・サービス残業が見直され、「ワーク・ライフ・バランス」が重視されるようになっている。
自分自身を振り返ると、非常に忙しかった前職で鍛えられた面、仕事を覚えることができた面はある。
しかし、仕事の能力は決して厳しい経験をしなければ身につかないものではないと思う。

サークルの変化は遠目に眺めるだけだが、今まさに変わりつつある会社に身を置いていることをうれしく思っている。

(MK)