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山登りから学んだこと

一昨年の夏に登った滝子(たきご)山でトラブルにあった。
中腹で友人が座り込んだまま、立ち上がれなくなってしまったのだ。汗が噴き出し、顔面蒼白である。どうしたものかと理由を聞いてみると、どうやらひと月ほど前から「炭水化物抜きダイエット」なるものをしていたらしい。
ありえない。致命的な準備不足である。

2年ほど前から山に登るようになったので、印象に残っているのはどんなことだろうと考えてみたのだが、真っ先に浮かぶのは、こういったエピソードばかりだ。
登山の魅力とは一般的に、きれいな景色を眺めたり、達成感を味わうことなどといわれているが、実際のところ、そういった喜びというものは、すぐにわすれてしまう。
それよりも山頂まで行けなかったこと、雨に打たれて震えながら下山する惨めさ、そういった記憶の方が不思議とよく覚えている。

もしかすると、それこそが山を登ることで得られる貴重な経験なのではないかと思う。
苦い経験を積むことで、同じ間違いをすることは少なくなっていく。よく準備するようになるし、より安全に登山に臨もうと注意深くなる。また日頃から自分の体調に気を付けるようにもなるだろう。

苦い経験は、それをしっかりと受け止めれば、色々な効用があるのだ。それは仕事においても、同じことだと思った。

(NK)