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10. データ分析

4月下旬になると、アカヤシオの花が一斉に咲く小さな尾根があります。青空の下で花を見たいので、週末の天気が気になります。天気予報を見ると、今年は桜の開花が早かったので…、と繰り返しています。急に、アカヤシオの開花も早いのでは、と心配になってきました。果たして、ネットで調べると、残念ながら、4月上旬には満開を迎えたようです。
満開から2週間近くたつので今年はダメかな、と諦めかけましたが、気を取り直して、全国的に暑くなった4月21日に山に出かけました。次の写真は、昨年4月23日の時のものです。快晴の空を背に咲く満開の花に、何度もため息が出ましたが、今年は落花ばかりです。

去年のアカヤシオ(2017/4/23)

 

尾根が終点に近づく頃、山道の脇に、瑞々しい花が一輪咲いていました(次の写真を見てください)。他に二つ三つ花が残っていますが、しおれて色は変わり、今にも散ってしまいそうです。青空を背に、正面を向いてニッコリと笑いかける花を撮りたかったのですが、横顔の写真になってしまいました。

今年のアカヤシオ(2018/4/21)

 

満開の花と違って、一輪だけ咲く花を見ていると想像がふくらみます。この花はのんびり屋さんなのでしょうか。花が開き目を覚ますと、周りに誰もいなかった。そんな自分に気がついて、この花は焦っているのでしょうか。もしそうなら、同情しますね。それとも、仲間が皆逝ってしまった後、周囲の木や草や花、そして、虫や動物たちに、「私で最後ですよ」、と終了宣言をする大事な役割を担っているのでしょうか。そう思うと、健気な気がしてきます。
言うまでもなく満開の花は美しい。しかし、最後の一輪の花も見方を変えれば新たなものが見えてきて、結構良いものに思えてきます。そもそも、満開を過ぎたから花は終わり、という考え方はよろしくない。満開の花もアカヤシオ、最後の一輪の花もアカヤシオ。どちらも、アカヤシオにかわりはないのですから。

弊社では、お客様が実施されたテストを分析することがあります。受検者数が少ないと結果によくない影響を及ぼすことがあります。せっかくコストをかけて分析するので、できるだけたくさんのデータが集まればと思います。いうなれば、時間をかけて花を見に行くので、満開の花を見たい、と願う様なものです。時には想定していた数のデータが入手できないこともありますが、分析を中止するわけにはいきません。十分な数のデータが得られなくても、可能なことは全てやってみて、データ数が不足している点を考慮して、分析結果を吟味する。すると、新たな事実が見えてくることがあるのです。
満開を過ぎても、あきらめずに花を愛でる姿勢が必要だ。すると、そこから新たなことが見えてくることがある。こういうことが言えそうです。

(社長)

 

 

おまけの写真

山に咲くフモトスミレ(麓スミレ)