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08. 視点を変える

春の盛りを迎えると、たくさんの花が次々に咲き始めます。自然界では花の咲く順番が決まっているようで、毎週末に同じ場所を訪れると、週替わりで花が入れ替わり、見る者を楽しませてくれます。しかし、似たもの同士の花が、ほぼ同じ時期に、同じような場所に咲くことがあり、見る者を悩ませます。
次の写真を見てください。上がアズマイチゲで、下はキクザキイチゲです。花をよく見くらべると、確かに形が少し違います。どこが違うか説明しろ、と私に言われても、感覚的には分かるけど、言葉ではうまく表現できません。そのため、花を見ただけでは自信をもって区別できないことがあります。
しかし、視点を花から葉に移すと、違いは一目瞭然です。キクザキイチゲの方が、葉の切れ込みの数が多く、しかも深いからです。この違いを頭に入れておけば、花ではなく葉を確認することで、たいていの場合、アズマイチゲかキクザキイチゲか区別がつきます。花の名前がわかったら、心いくまで花を愛でましょう。

アズマイチゲの花

キクザキイチゲの花

多くの場合、「花」は美しく良い香りがするので、外に向かって強くアピールします。そのため、ヒトの目につきやすい「花」は、蜜を求める虫だけでなく、多くのヒトも引き寄せてしまいます。同じような形の同じような色の「花」は、どれも同じに見えてしまいますが、種類が違えば、当然、個性も違います。その個性の違いは、派手な「花」よりも、後ろにそっと控えている地味な「葉」に表れることがあります。
派手なものばかりに目を奪われると、個性を見過ごしてしまうことがある。陰に隠れた目立たないところにこそ、個性が潜んでいる。こういうことが、いえそうです。

(社長)

 

 

おまけの写真
上がイチリンソウ(花が二つの場合でも、イチリンソウ)、下がニリンソウ(花が一つの場合でも、ニリンソウ)です。小ぶりのイチリンソウと大きめのニリンソウは、区別が難しいことがありますが、葉を見れば両者は明確に違います。

イチリンソウの花

ニリンソウの花