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07. 先入観

東京で桜の開花宣言が出た翌日、近くの山を訪れると、沢辺のあちらこちらにネコノメソウが小さな群れつくって咲いていました。お目当ての一つは、ハナネコノメです。小さな花ですが、白と赤がとても目立ちます。この花は人気が高く、かわいらしい姿を写真におさめようとして、前に大きく突き出たレンズを小さな花にすり寄せている人を見かけます。

 

ハナネコノメ

 

ネコノメソウにはたくさんの種類があり、その中の一つに、ヨゴレネコノメ(汚れ猫の目)という花があります。「汚れ」という言葉が名前についていますが、決して汚れてはいません。地味な花ではありますが、目を近づけて確かめると、落ち着いた色や控えめな花の形がかえって個性的に見えてきます。

 

ヨゴレネコノメ

 

しかし、この花の写真を撮っている人はあまり見かけないように思います。なぜでしょうか。花は美しいもの、という先入観が私たちにはあります。そのため、「汚れ」という言葉が名前についているだけで、実物をよく見ないで、価値の低い花と決めつけてしまいがちです。たとえきれいに撮れた写真であっても、「汚れた花」は人に見せにくい。ひょっとすると、そんな理由で敬遠されているのかもしれません。

テストで学力を測る時にも、先入観がはたらくことがあります。普段からあまり勉強が得意ではない生徒が、あるテストで良い点数をとったとしましょう。そんな時、その生徒が一念発起して勉強して、その成果が実ったにもかかわらず、あの生徒がこんなに良い点を取るはずがない、と決めつけることはないでしょうか。

先入観にとらわれると真実が見えにくくなります。想定外の結果が出たときこそ、先入観にとらわれることなく、客観的に事実をとらえる必要があるといえます。

(社長)

 

 

おまけの写真

沢辺に咲く花~ユリワサビ