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04. Aを見つけたいならBを探せ

カンアオイという花があります。真冬でも咲く珍しい花ですが、これが少々見つけにくいのです。
その理由の一つは、花が葉っぱに隠れていることが多く、山を歩きながら直接見つけることが難しいからです。このことを知らなければ、そこに花が咲いていても、おそらく通り過ぎてしまいます。
葉っぱが見つかると、その場に腰をおろして花を探しにかかります。まず、葉っぱをめくり、枯れ葉や枯れ枝、そして、小石や泥をそっと取りのけます。時に、花が泥の中に埋もれていますので、指でやさしく堀おこります。すると、花が顔を見せてくれますが、次の写真のどこにあるでしょうか。中央の下、茶色の三角がカンアオイの花です。見つけにくい理由の二つ目は、このように、花弁は退化してなくなっており、おまけに、花の色が周囲に同化してわかりにくいからです。

 

 

花を見つけると写真をとりたくなりますが、なかなか、都合よくカメラの方を向いてくれません。次の写真では、せっかく、花が七つも並んでいるのに、右上の花以外は、皆、下を向いています。しかし、気に入った写真を撮るために、無理して花の向きを変えてはいけません。花を傷つけては元も子もありませんから。花を見たら、そのあとは元のように、泥をかけ、枯れ葉をかぶせておきます。自然のものに手を加えたら、元通りにしておくのが鉄則です。

 

 

カンアオイの花を見つけるには、まずカンアオイの葉っぱを探すことです。緑の少ない冬枯れの雑木林ですから、形、大きさ、表面の模様、そして、質感が個性的なカンアオイの葉っぱは、一度見れば記憶にしっかりと残ります。そのため、足元にカンアオイの葉っぱがあれば、よほどぼんやりしていなければ、見落とすことはないと思います。
見つけにくいカンアオイの花を探すときは、特徴のある葉っぱを探せ。葉っぱが見つかれば、花を傷つけないように、焦らずに、そっと余計なものを除けばいい。見つけたいものが探しにくいなら、その近くにある見つけやすいものを探せ。小さくて見つけにくいAを探すときは、すぐ近くにあって目印となるBを探せ。Bが見つかったら、周辺を丁寧に探し、Aを見つけろ。そういうことが言えますね。

(社長)